Kiyamachi, Kyoto

気軽に入れる京都一人飲み・立ち飲みスポット

佐藤ルーミー

今日も暑かった!ようやく日が落ち始めた。長い一日が終わろうとしている。こんな日は帰る前に軽くお酒が飲みたい。電車を数本見送るだけの間にササっとビールを流し込みたい。長居はしたくない。早く帰りたい。しかし店で飲みたい。こんなワガママ誰が聞いてくれるだろうか・・・うってつけなのは「立ち飲み」だ。今回はお一人さまでも気軽に楽しめる京都にある立ち飲み屋さんを紹介しよう!

 

すいば(富小路六角店)

出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26024970/
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三条寺町のちょっとした広場から歩いてすぐのところにある「すいば」。見通しの良いガラスドアからは中のにぎわいがうかがえる。外見はどう見てもカフェバーそのもの。一杯600円はするマスターこだわりの当店オリジナルブレンドコーヒーを抽出してそうなオシャレーでキレイーな出で立ち。しかし、実際に店内に入ってみると様々な人種が所狭しと酒を酌み交わしているではないか。驚きを隠せないあなたはこう思う。立ち飲み=昭和は古い。既に「立ち飲み」は世のオジサンの手を離れ老若男女(20歳以上)のアクセシブルな居酒屋としての変貌を遂げていたのだ、と。清潔感あるカウンターと明るい照明、モダンな内装は年齢や職種、まして男女関係なく人を惹きつける。それもそのはず時間によっては店の外で待ちができている。しかし安心してほしい。元気で愛想のいいお姉さんが誘導してくれる。さらにお姉さんに身を任せよう。手際よく人数分のスペースを作ってくれるのだ。

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カウンターに立ちメニューを見るあなた。さらに驚く。ビールが、安い。原価割れをこちらが心配してしまうほどの京都1、2を争うロープライス。これはビール好きにはありがたい。他のアルコールもそもそもが飲み屋なだけあって充実している。日本酒、焼酎、ハイボールはもちろんだが梅、柚子、りんごなど女子が喜ぶ品揃え。昔の人間は枡を、平成生まれは柚子酒を片手に世代を超えたカウンターでのドラマが生まれそうだ。

出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26024970/
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フードメニューも豊富だ。いつもは刺身を真っ先に頼む。しかしここは名物おおきな蟹かま一本揚げを注文してみてはどうだろう。また、季節によってはフグがあったりメジナがあったりとあなたの舌を飽きさせない。個人的にオススメは王道ポテサラだ。いつの頃からか、全国的にこれを食べればその店の全てがわかると言われるほどの居酒屋うまさ計測器になっているのだ。すいばのは、うまい。つまりこの計測器によると出てくるフードはどれも美味しい、ということになるのだがこれは正しい。あとはあなたが実際に口にしてみれば計測器の真偽がわかるだろう。

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いつだったかすいばのカウンターで横に白人男性が立った。そのひとつ先には黒髪の長身美女。カップルにしてはお似合いだ。そう思った。すると次の瞬間、美女がアジフライにかぶりつきビールで一気に流し込んだのである。時間が止まった。数秒経ち、そっと横の白人男性を見た。すると彼は彼女の方を見たままポカンとしていた。まだ時間が止まっているようだった。二人はカップルでもなんでもなかった。ツーリストと仕事帰りのOL。私はこの場に居合わせたときに店の名前の本当の意味がわかった気がした。「粋場」。この白人男性が何を考えたのか知る由もないが、これが「イキ」なのだとそっと教えてあげたくなった。

出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26024970/
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Address : 京都府京都市中京区大黒町77番地 河村ビル 1F

Open : 17:00 ~ 24:00

Close : 水曜日・第3木曜日

Map : https://goo.gl/maps/UJYU328msrN2

Website : http://www.suiba.jp/

 

へそ(京都駅前)

出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260101/26024829/
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人種のサラダボウル京都駅から北へ向かう。東本願寺を目指すのだ。しかし、仏教徒であろうとなかろうと酒飲み教の信者ならば“東さん”を横目に自然と七条通りで右に進むはずである。なぜならその先には「東京新橋へそ京都駅前店」が信徒を待っているからである。

出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260101/26024829/
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さて、この居酒屋は一杯ひっかけメッカ東京新橋から進出しているだけあってスーツとよく似合う。外にも立ち飲みスペースを確保し、帰路を急ぐお父様方を誘惑している。暑い日も寒い日も野外スペースには談笑が響いている。ふと仰いでみればホテルの窓から修学旅行生の枕投げ風景も見てとれる。へそは隣のパチンコ屋よりも娯楽施設と化している。それでも通り過ぎようとする人には追い討ちのコロッケ屋台が待ち構える。そうテイクアウトもやっているのだ。店に入らずとも歩きしなに揚げ物を頬張ってもよい。家で待っている(?)家族におみやにしてもOK。決して広いとはいえない店舗ながら幾重にも網を張る、これが新橋流なのか。

出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260101/26024829/
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しかし、この網を張るのは日が暮れてからではない。日中は立ち食いそば屋に変身するのだ。なんと定食もあるし、言うまでもなくお酒も出る。ここまでされては昼も夜もこの網に自ら絡みとられにいくようなもの。ターゲットはもちろんお父さん・・・と限るのは少し待ってほしい。夜、若い女性が入って来た。この空間だ。彼氏かだれかを待っているのだろう、と勘ぐった矢先、お酒と一品を注文した。連れを待たないのか、珍しいコもいるもんだなどと思っていると料理が出てくるやいなや口に運びだした。ひとり飲みだったのである。待つ必要はなかったのだ。よく飲み、もくもくと食べている。本当に幸せそうな顔だ。清潔な店内とあたたかみのある木材を基調とした立ち食いそば兼立ち飲み屋は誰でも気兼ねなく立ち寄れる。

出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260101/26024829/
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アクセスの良さから外国人グループもどんどん入ってくる。当然メニューも外国語対応だ。しかし彼らは訳された日本料理をメニューで読んでも食文化が違うため想像しにくい。そこで席が近い立ち飲み屋ならではのドラマが生まれる。きっと彼らはあなたの皿を指差して同じものをくれというであろう。私の場合はメザシを焼いたやつだった。

ここのメニューは日本食が一通り揃っている。本当に豊富だ。串カツ、刺身、たこ焼き、明太子、うに、蟹味噌、黒毛和牛・・・etc。ぜひKyoto station 付近をpurapuraしているgood looking foreignersが聞かずにはおれないアテを注文し出会いのきっかけとしてほしい。

ドリンクも相当な種類がある。中でもひときわ目立つのは“獺祭”だろう。酔うためではない、味わうための酒と旭酒造が称するに準じた利き酒セットがある。記憶に新しいオバマ大統領来日のお土産として渡された獺祭。日本酒の最高峰ブランドを訪日外国人と飲み比べてみるのもホストシティ京都の持つ役割かもしれない。へそとの出会いに乾杯。

 

Address : 京都府京都市下京区真苧屋町203

Open : 11:30 ~ 23:00

Close : 無休

Map : https://goo.gl/maps/cskfPei1adS2

Website : http://www.cleargate.co.jp/heso/

 

立ちのみ いなせや

いなせや 京都駅前店
出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260101/26026420/

毎日の通勤に京都駅を利用しているならぜひ「いなせや」に立ち寄ってみてほしい。一旦改札を出てしまえば七条東洞院にあるこのお店も京都駅からラクラク歩いていける距離にある。あなたがどんなに仕事に疲れていてもビール脳は何の迷いもなくヒールを進めるだろう…と、わざわざ私が紹介するまでもなくオープンして間を空けずして飲み屋界では話題になり、かつ繁盛しているお店だ。週末はガラス戸の外に列ができるのは普通。ここで立ち飲み屋に待つなんて、一日立ち仕事だったのに、とか考えない。ガラス越しに見えるのはカウンターの喧騒と厨房の料理人たちの熱気だ。これだけの賑わいの店にはきっとあなたを満足させる何かがある。

いなせや 京都駅前店
出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260101/26026420/

店内に通されるとアクセスの良さもありサラリーマンや観光客に混じってドレス姿の女性のかたまりが。結婚式の帰りだろう。この時代、立ち飲み屋は披露宴帰りのドレス女性も取り込めるキャパシティを身につけているのだ。着崩してもフォーマルでもおめかししても何の違和感もない。それはいなせやの持つイケてる空気なのだろうと思う。

出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260101/26026420/
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お店は混んでいたが愛想の良いお姉さんに壁付きのカウンターに通された。振り返って厨房を見るとロングカウンターの向こうでは威勢の良い料理人が所狭しと動き回っている。お酒係、揚げ物係、お刺身係、それぞれ個性ある料理メンズが腕をふるっている。これだけ忙しくさせるのは安いアルコールとやっぱり安くてうまい一品のため。これだけのコスパの良さなら誰だってたくさん頼んでしまうというもの。キッチンカウンターの上には横長の黒板が掲げられ、そこに和洋中のメニューがびっしりとチョークで書かれている。え、選びきれない。全部食べたい。もう、忘れよう。今ダイエットしてるってこと。そう、敷居を跨いだ瞬間から雑念を頭に残してはいけない。雑念を払い一杯280円のビール(これまた京都最安値!)をオーダー。多いメニューからフードは何を頼もうか。その何かに、アヒージョやマリネ、ナッツ入りエビマヨなどを合わせてもgood。

出典 : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260101/26026420/
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バクダンが運ばれてきた。赤くて炭酸がシュワシュワはじけている。戦後、屋台で若かりし頃のじいちゃんが、きれいなばあちゃんをこのバクダンで酔わせて口説いていたかもしれない。“いなせ”な人のじいちゃんはきっと今でいうイケメンだったのだろう。結婚パーティ帰りのドレス姿の女性を見てふとじじばばの馴れ初めに思いを馳せる。つらつらと東洞院の夜は更けていく。

 

Address :京都府京都市下京区 東洞院通七条下ル真苧屋町220−8

Open : 15:00 ~ 23:30

Close : 日曜

Map : https://goo.gl/maps/8YLAYEpasAK2

Website : http://www.inaseya.net/index.html

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