Kyoto

歴史を体感せよ!京都の誇る老舗食品店はここだ!16店舗

佐藤ルーミー

そうだ京都の老舗、行こう。
皆様いかがお過ごしでしょうか?

本日ご紹介するのは古都に似付かわしい京都の地で昔から根付く老舗の数々。
その中でも、今回は『食品』というジャンルでまとめてみました。

皆さんが思いつくような京都らしいお店が実は老舗だった!なんてところもあれば
「確かに」と思わず膝を打つようなお店までご案内します。

聖護院八ツ橋総本店

出典:http://www.shogoin.co.jp/

さぁ、みなさんご存じの八ツ橋です!
京都のお土産と言えば!のド定番商品ですね。
言い方は悪いですが、食傷気味ではなかろうか?なんて。笑

さて、こちらの聖護院さんは創業が1689年(元禄2年)
私の生を授かった年から300年前。。。

・・・・300年!?

そうです。2017年で創業328年になろうとしているのです。

創業年の元号は「元禄」ということで、江戸幕府5代目将軍 徳川綱吉の時代です。
※「生類憐みの令」のあの方です。笑

もう一つ、元禄2年にはあの「松尾芭蕉」が「奥の細道」の旅に出た年でもあります。
芭蕉が俳句作りまくった奥の細道なこの年、京都では八ツ橋を作りまくってたわけです。
歴史は面白いですね。繋がりが分かると愛着も沸くものです。

公式ホームページ:http://www.shogoin.co.jp/

本家西尾八ツ橋

出典:https://www.8284.co.jp/shop/honten.html

さて、同じく八ツ橋のお店が出てきました。本家西尾八ツ橋さん。
こちらも実は、1865年(元禄2年)創業なのです!

なにやら因縁めいたものを感じざるを得ません。
そんな西尾さんも聖護院さんと肩を並べ328年の時を超えて今も尚愛される八ツ橋を作っています。
お土産をお買い求めの際は、聖護院さんと交互にご購入の程宜しくお願い致します。

公式ホームページ:https://www.8284.co.jp/

松野醤油

出典:http://ameblo.jp/aikoro369370/entry-12038726587.html

「昔からうちとこのお醤油は木樽で寝かしてますねん」
な、なるほど。恐れ入りました・・・となぜか圧倒される松野醤油の紹介です。

文化二年(1805)、初代松野新九郎が創業しました。

鷹峰三山の景勝を愛した江戸初期の芸術家・本阿弥光悦。
徳川家康によって与えられたその土地は後に光悦寺となり、その参道に老舗の名店が誕生しました。
醤油の起源は一説には関西にあるといわれることから、松野醤油は醤油黎明期の味を今も伝えてくれます。

松野醤油のファンは多く、2015年1月にはNHK「ブラタモリ」にも登場しました。
松任谷正隆や伊藤まさこといった著名人も虜にしています。
さしみ、濃口、薄口、つゆ、ゆずぽんなど豊富に揃えていますよ。

公式ホームページ:http://www.matsunoshouyu.co.jp/

鍵善良房

出典:http://www.kagizen.co.jp/

かぎぜんよしふさ、と読みます。そのままです笑
創業は江戸の享保。暴れん坊将軍徳川吉宗による享保の改革で有名ですね。
その時代から祇園で京菓子を作り続けています。京都の文化や芸事と共に発展してきました。

鍵善といえば干菓子「菊寿糖」とくずきりが有名です。
菊寿糖は阿波産の和三盆を使用し上品な甘さを演出しています。
なんと幕末の元治元(1864)年の菓子型が存在することから超超ロングセラーといえます。

くずきりの葛は、奈良吉野の「森野吉野葛本舗」のものを使っているそうです。
沖縄産の黒糖と奈良吉野の葛、そして水だけで作られるくずきりは和菓子の極限を表していますね。

また季節限定の商品もあります。
ちまきは端午の節句を含む3日間、水無月は晦日(6月30日)までの3日間だけ作られます。
月見団子や、土用のあんころ餅は年に一度しか食べられるチャンスはありません!

喫茶もやっていますので、祇園散策に疲れたら優しい甘味と愛らしい見た目でひと息ついてみませんか?
和菓子ってなんでこんなにかわいいのでしょうね!

いもぼう 平野家本家

出典:http://www.imobou.net/

作家・吉川英治が「三百年を伝えし味には三百年の味あり」と賞賛したとされる京の味。
それが、いもぼう。

・・・いもぼう?
はて、その聞き慣れない響きはどこに由来があるのでしょう。

まず唐芋です。円山の土地で育てた唐芋が海老に似ていたため海老芋と名付けられました。
次に棒鱈です。海に面していない京の都では乾物を美味しく戻す技術が発展していました。
そこで享保の時代、天台宗・青蓮院に仕えていた初代平野権太夫がこの2つを一緒に炊き合わせたのが始まりといわれています。
海老芋と棒鱈、くっつけて「いもぼう」です。荒技です。

知恩院から円山に抜ける際、いつも不思議だったこのお店。実はすごかったのですね。
「北海に京を和えたるいもぼう哉」この歌は松本清張です。
文豪に愛されたいもぼうを是非堪能してみては?

公式ホームページ:http://www.imobou.net/

亀屋良長

出典:http://kameya-yoshinaga.com/?tid=2&mode=f3

享和3年(1804)、菓子司・亀屋良安から暖簾分け後、四条醒ヶ井(さめがい)にて創業。
京菓子の持つ香りや味わいには良質の水が欠かせないことから、初代は湧水の出るこの地を選んだと言われています。
店先から湧く醒ヶ井水は持って帰ることができますよ。

創業時から200年以上も受け継がれている烏羽玉(うばたま)は亀屋良長の看板そのもの。
これからの季節、見るだけで涼しくなる琥珀羹「夏まつり」がおすすめ。金魚の泳ぐ棹物です。

出典:http://kameya-yoshinaga.com/?tid=2&mode=f1#header

生菓子の手作り教室も開催されています。伝統の和菓子職人さんに真髄を教えてもらうのも楽しそう。
英語・中国語も対応していますので観光や留学生でも気兼ねなく参加できますね。

公式ホームページ:http://kameya-yoshinaga.com/

有職菓子御調進所 老松

出典:http://oimatu.co.jp/#product

京都最古の花街・上七軒(かみしちけん)に店を構えています。
ここはなんと団子発祥の地!由緒正しき和菓子の王道を行っていますね。

老松は有職菓子と銘打っています。
婚礼や茶会などの儀礼や祭典に欠かせないお菓子を中心に提供しています。

伝統や文化を大切にする理念はお菓子にももちろん表れていて、
「御所車」「貴船川」「菅公梅」「東風ふかば」と名付けられたお菓子は京都の歴史そのものですね。

また老松も京都の伝統文化を保存し後世に繋げるような活動を行っています。
菓子づくり講習会や講演、海外での茶会などなど日本文化の普及に取り組んでいます。
興味のある方は参加してみてくださいね。

公式ホームページ:http://oimatu.co.jp/

七味屋本舗

出典:http://small-life.com/archives/09/04/2821.php

明暦年間(1655~1659)創業。なんと360年前!江戸時代初期から清水の坂でコツコツと積み重ねてきた伝統。
しかし当時は七味ではなく河内屋の屋号でお茶を扱っていたそう。

それがなぜ七味を売るようになったのでしょう。
清水へ参る参拝者や修行する行者に「からし湯」なるものを振舞っていたことに由来するようです。

その気になる「からし湯」とは一体・・・?
実は白湯に唐辛子の粉をふりかけたもの。そのままです。
寒さの厳しい冬でも体をあっためてもらいたいという無償での心意気が評判に。

今は七味、一味、山椒、出汁、ドレッシングなど伝統を守りつつも革新に挑戦している七味屋。
辛いもの好きとしては超マストなレジェンド七味です。
遠方の辛マニアもご安心。通販もできますよ!

公式ホームページ:http://www.shichimiya.co.jp/

あらゆるあぶらの専門店 山中油店

出典:http://s.webry.info/sp/30047809.at.webry.info/201604/article_5.html

あぶら一筋200年。江戸後期、文政年間(1818-1830)創業。
創業時は燈明、つまり照明用だったあぶらが調理には欠かせない存在になったのは明治以降。
明治に大転換点を迎えたあぶらは現在でも発展し続け、日本人を虜にしています。
最たるものは、とあるイケメン俳優がこれでもかというほどオリーブオイルをぶっかけ
そのうち、あぶらの海に溺れて死ぬのではないかと奥様方が心を痛めることでしょうか。

このようにあぶらと人々との関係を山中油店は昔から取り持ってきました。
美容に椿油、もちろん食用には菜種、えごま、落花生、オリーブオイルなどなど。
そして意外なことにくるみや亜麻仁あぶらは外壁やフローリングの補修にまで使われるのです。

山中油店はあぶらだけではなく、あぶらの魅力を最大限に引き出したカフェ・レストラン「綾綺殿」や
町屋を改修したゲストハウスも経営しています。
この際、たっぷりとあぶらに浸かってみては?

公式ホームページ:http://www.yoil.co.jp/

千鳥酢醸造元 村山造酢

出典:http://chidorisu.co.jp/

酒あれば酢あり。
字が表しているように酒から作る「酢」は、酒どころとして有名な京都で盛んに製造・販売されていました。
創業は江戸享保年間(1716年〜1730年)。

鴨川に群れて飛ぶ千鳥を詠んだ古歌「鴨川や流れに清き千鳥すむ」から名付けられたブランド名「千鳥酢」は
江戸時代から京都の人々に愛されて続けています。
懐石・有識・精進を扱う高級料亭にも広く使われており、千鳥酢は文化そのものですね。
家庭で使う場合もちらし寿司、カルパッチョ、酸辣湯など用途は選びませんよ。

公式ホームページ:http://chidorisu.co.jp/

すっぽん料理 大市(だいいち)

出典:http://www.fujingaho.jp/gourmet/nabe55_fujingaho_160201

すっぽん料理330年。元禄年間(5代将軍・徳川綱吉時代)、初代・近江屋定八が創業。
現在まで17代も続く老舗中の老舗料亭です。

すっぽんは日本古来の生き物と思いがちですが、
実は中国ロシア東南アジアと広く分布しており紀元前の昔から滋養強壮に食されていた世界的食材です。
周時代(B.C1046-B.C256)には、すっぽんを調理する鼈人という官職があったくらいです。

大市では特注の信楽焼のまる鍋を用い、
すっぽん養殖の老舗「服部中村養鼈場」で育った選りすぐりの個体を提供しています。
数世紀もこだわり抜いた大市のすっぽん料理を「雷が鳴っても離さない」程食らいつきたいものです。

公式ホームページ:http://www.suppon-daiichi.com/

半兵衛麩

出典:http://www.hankyu.co.jp/ekiblo/hitomi/22228/

京都は麩にも歴史があるのです。
京都で唯一「京麩」と呼んでいいのは創業330年の半兵衛麸のみ。
元禄二年(1689年)、宮中の料理人を務めていた玉置半兵衛が屋号を「萬屋(よろずや)」として
麩屋を始めました。
それ以来「先義後利(せんぎこうり)=義を先にして利を後とする者は栄える」の家訓の元、
現11代目まで伝統を守り抜いているのです。

明治以降ゆばの製造も始め、国産大豆と京都の清らかな水でできた上質な京ゆばを提供しています。

星、梅、桜、もみじを型どった可愛らしい麩の入ったお吸い物は飲むのがもったいないくらい。
スープdeお麸ブラックペッパーが非常に気になります。

関東の人でもご安心。
半兵衛麩がプロデュースする麩の販売や喫茶「ふふふあん」はGINZA SIX(ギンザ シックス)にも出店していますよ。

公式ホームページ

http://www.hanbey.co.jp/
http://fufufuand.jp/index.html

緑寿庵清水

出典:http://www.konpeito.co.jp/shouhin.html

ポルトガル語の「confeito(コンフェイト)」に由来する国民的お菓子金平糖。
京都には日本でただ一軒、金平糖の専門店があります。
弘化4(1847)年、京都百万遍。
初代・清水仙吉により創業された緑寿庵清水は一子相伝の技を今に伝えています。

なんと金平糖にはレシピがありません。
その日の天気や気温、湿度、釜の角度や金平糖が転がる音を五感で捉え、微調整を繰り返す職人さん。
できた金平糖は生涯に一度だけしか作れないというのは納得です。
コテ入れ十年、蜜掛け十年。一人前になるまで20年かかると言われています。すごいですね。

新作の開発にも一品20年必要なんだとか。
ヨーグルトやチョコ、サイダーの金平糖はとっても重みを感じますね。

公式ホームページ:http://www.konpeito.co.jp/

通圓

出典:http://sports-cycle-natural.com/

日本最古の茶店!通圓(つうえん)はその歴史850年!ものすごい重みです。
平安時代末の永暦元年(西暦1160年)に源氏の武士であった古川右内が要衝である宇治橋の橋守として
旅人に茶を振舞ったのが始まりとされています。

これほどの歴史を持つお店ともなると「通圓」という狂言の演目があるのもうなづけます(お店の名前そのままですね)。
お店には、あの一休さんが送ったとされる「初代通円」の木像が祀られていたり、
豊臣秀吉や徳川家康という天下人が茶を楽しんだという記録も残されていたりと日本の歴史と共に歩んできたのがわかります。

世界遺産平等院へ行く際には通園に立ち寄ってみてはいかが?
抹茶・玉露・煎茶や抹茶ソフトクリーム、茶団子などなど伝統の宇治茶シリーズがあなたを待っていますよ。

公式ホームページ:http://www.tsuentea.com/index.php

平井常榮堂(ひらいじょうえいどうやくぼう)

出典:http://niwanoki.blog50.fc2.com/blog-entry-219.html

京都鴨川、二条に平井常榮堂があります。
こちらは1701年から古都京都の健康を支えてきた薬のお店。
幕府や大名、寺院に仕えていましたが、その一方で町衆の体の悩みを聞いてきた由緒ある和漢薬のお店です。

江戸時代に建てられた店内に置かれている薬草や正体不明の原料の数々は初心者には全くわかりませんが
とにかく効きそうです。
今は8代目の平井正一郎さんがその人の体調に合わせた薬を調合してくれます。
平井さん曰く、薬草類を用いた漢方は西洋医学とは異なるけれどもバランスよく自然治癒力を高めてくれるそう。
現代医学にちゃんと認められた漢方もたくさん存在しているんですよ。
有名な葛根湯は風邪の引き始めや鼻炎、桔梗湯は咽頭炎など病院でも処方されますよね。

個人的には、毒ヘビスター軍団のコブラ、ハブ、マムシ、ヤマカカシの粉が入った
「元気ですか!」シリーズがとっても気になります。

健康に不安のある方は漢方を試してみてはいかがですか?

公式ホームページ:http://jyoeido.com/

本家月餅家直正(ほんけつきもちやなおまさ)

出典:http://kyotopi.jp/articles/fzebT

江戸時代後期の文化元年(一八〇四)の創業。
初代は大津にて大名へ金を貸し付ける「大名貸し」を行っていたとされます。
それがなぜお菓子屋さんになったのでしょう。
茶人でもあった初代は懐石料理やお菓子も作れる器用な人物だったそうです
幕府の衰退とともに金融業も傾き始めた頃、袂が汚れる生菓子に代わる焼き菓子を考案。
「オーブン窯」と呼ばれる焼き菓子用の土窯を開発し、誕生したのが「月餅(つきもち)」です。

わらび餅も看板商品なんです。
きな粉がかかった本わらび粉で作った生地がこし餡を優しく包んでいます。
ただし、冷蔵庫には入れないでとのこと。豆腐より壊れやすい生地が硬くなるからだそう。

出典:https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260202/26002393/#

高瀬川を甘味を頬張り散歩する際にはぜひお立ち寄りください。
以上、食品を扱う老舗を特集してみました。
京都には伝統と歴史と共に生きる職人、そして生み出された商品を愛する市井の人々とが共に支え合って
いるのがよくわかります。
口に入れるとなくなってしまう束の間の愉しみですが、その一瞬には膨大な時間が凝縮されていたのですね。
老舗食品店へお越しの際は味覚以外にも面白みを探してみてくださいね。

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