6月吉日。
いよいよといった具合に暑くなってきましたね。
渇ききった体に水分がよく染みる季節です。ビールなら尚のこと。ではないでしょうか!
さて、「京都の何か」を使ったクラフトビール造りの第2弾。今回はだいぶエクストリームなものが出来上がってしまいました。
テーマは「万願寺とうがらし」
前回に引き続き、非常に雲行きの怪しいテーマを打ち出すmyd印のクラフトビール。
なぜそれを選ぶのか?とヤジが飛んできそうですが致し方ないのです。
今回も味見をするみんなには人柱になってもらおうと思います。
マッドサイエンティストさながらに。
ビールのベース
ベースとなるビールの素は、ブラックロックのメキシカンラガー。
あっさり目が特徴のラガーを選びました。尖った味わいは万願寺とうがらしに任せよう。という目論見です。
前回の記事では、モルトエクストラクトの原液をお見せできていないので参考までに、、、
こんな具合。言い方は悪いがパッと見た印象は煙草を加えて煮詰めた水飴のような色。。。
舐めるとほんのり甘く、後味がホップ独特の苦みを感じるのは前回同様。
前回のものと今回のものとで違いは特に分かりませんでした。(どちらもラガーという分類故でしょうけど。)
背面には和訳されたラベルが貼られています。作り方も記載がありますが、日本では1%以上のアルコール度数を有するビールの製造に許可が必要なので砂糖を加えないようご注意ください。まるまるアルコール発酵が進んでしまいます。
万願寺とうがらし イン!
さて、このモルトエクストラクトを加水してタンクに入れるとこまではノーエクストリーム。これにとうがらしを加えましょう。
これを、ミキサーで「ガーーーーーーッ」とペースト状にして加えます。
今回その一部始終を写真に収めることを失念しました。とはいえ、ミキサーにかけられた大量の万願寺とうがらし青汁をタンクに加えるという暴挙のエクストリームさは想像に難くないと思われます。
1次発酵
万願寺とうがらしを加えた後は、2週間ほどの1次発酵期間を取りました。
ここまで仕込んだ後に気付いたのですが、
野菜に限らず副原料を加える際は、副原料の味・匂いが仕上がりに与える影響を
出来上がりを想像しながら逆算していく必要があります。
特に今回は、万願寺とうがらしの「青臭さ」を考慮する必要がありましたが
生のままペーストを加えてしまいました。この結果は最後に言及していこうと思います。
充填!
ペーストを加える故に沈殿物や浮遊物が非常に多くなります。充填前に余分な澱を取り除きましょう。
澱を取り除いた後、違う容器に移したかったのですが、大容量タンクが1つのみのため、クリクラの空タンク(洗浄実施)と鍋に移しています。大容量タンクを洗浄した後に再度ビールを戻し、改めて瓶への充填実施!!
充填時には瓶にプライミングシュガーの添加をして王冠で封をします。これはビールらしい炭酸を作るための工程になります。
さらにもうひと手間
ハイ。鷹の爪でございます。
この時点で辛味が全くないと思った私はやってしまいました。
1瓶1本。砂糖と一緒に放り込みました。
完成!!
中瓶・小瓶で合計40本ほど仕込めました。
よく見ると、鷹の爪がプカプカ浮いております。
ここから2次発酵が約1週間。
餃子と闘わせる
ドン。
1週間後の晩御飯の図。この日は待ちに待った開栓の日!!
気合が入って自作餃子を作っちゃいました。しかも仕上がり含め、かなり上手くできています。
もう楽しみでしょうがない。
グラスへ注いだ図。鷹の爪が浮いてます。
ふと我に返り、泡がないことに気付く。
(あれ・・・・・??)
前回の味噌ビールが思いのほか上手に出来てたこともあり、何も考えずに口に運ぶ。
「んーーーーーーーーーーー!」
「辛いっ!!!!!!!からっ!!!!」
「そして、後を追う万願寺とうがらしの風味!!!!!!」
餃子に味で勝っちゃうビールってなんぞや。とんでもないエクストリームビールが出来上がりました。
いやむしろ、これこそが自由な発想で楽しめるクラフトビールの醍醐味と言えるでしょう。
名付けて、「ペッパービール MANGANJI」
ご馳走様でした…!
以下、考察
・万願寺ペーストを加熱することで野菜の匂いをもう少し抑えられてベターになる。
・鷹の爪が思った以上に辛い。
→これは好みかもしれないですが、小瓶には半量で良かったかもしれない。
今後も、こういった副原料を使用する予定ですが加熱処理は大事だと思い知りました。
勉強という意味では貴重なケーススタディかもしれませんね。
第3弾乞うご期待!!

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