こんにちは、京都のウェブマガジン「アンテナ」ライターの川合と申します。
「お化け、ってもう夏なんて終わってるよ!」なんて読者の皆様の声が聞こえてきそうですが、ご安心ください。怖くありません。まったく怖くありません。
歌人の佐々木あららが8月15日に配信した自身のポッドキャスト番組で「真夏の新しいモノ怪談」を紹介しました。ざっくり一言で書くと<近代的な要素があれば怪談は怖くないのでは?>という説です。
「去年、お墓参りに行ったときの話なんだけれど――」
「そのとき、鏡をみたら――」
というような怪談は怖いかもしれません。しかし、
「こないだスカイビルに登ったときの話なんだけれど――」
「そのとき、インスタがね――」
というような話ならどうですか?怖くないんじゃないですか?
文化と歴史の街――なんて文脈で紹介されることも少なくない京都ですが、京都だって立派な都会です!東京にも大阪にも負けてはいません。この説を応用するとつまりこういうことになります。
京都に幽霊が出ても、街並みが近代的なので怖くないのでは?
今回はカメラを握り筆者自らこの説を確かめみたいと思います。
今回協力してもらうのはこの男の子。
どこかで見たことがある感じもしますが、何の因果があってこんな怖い顔してるですかね。服を着ていないという不可解な点も不安を煽ります。怖え~!夏だろうが秋だろうが怖え~!
ということで最も近代的な京都駅にやって参りました。駅ビル全体を梅田スカイビルや札幌ドームを手掛けた原広司が設計しています。莫大な面積と体積がまるまるモダンな建築物なわけですよ。
立ち入り禁止エリアにて。
閉鎖中の場所に堂々と立っているというルール無用のアウトロー感は少し怖い気もしますが、打ちっぱなしの壁という舞台装置に助けれられています。
中央改札横のエスカレーター。
柔らかな天日を通す近代的なアーチ状の天井。全然怖くないです。
さらに進んでぽつりぽつりと休憩している人がいる大階段へ。
写真右側に座ってもらいました。なんか落ち込んでるみたいだな。
「怖い」よりも何となく「可哀想」という気がします。
屋上。大空広場です。
晴天のもと、自然とモダンの融合した憩いの空間―――。幽霊が居てもこの快適空間ののどかさが圧倒的にその恐怖を掻き消します。
わざわざ展望台に来るということは別に幽霊だからって浮いたりとか出来ないんだ、と何となく親近感が沸きますね。
こちら空中経路。
いや怖い!これは怖いな!
なんでだろう、人がいないからですかね。撮影したのが平日午前ということもあり人通りがないどころかまるで水中のような無音状態。近代的過ぎると逆に怖いことが分かりました。
空中経路からの眺め。
広がる平地、奥に構える山々、そびえ立つ白い京都タワー、飛行機雲。
落ち着きますね。お化けなんてやっぱり絶対に嘘な気がしてきました。
京都劇場の前です。近代的で西洋の装いがあるのでジャパニーズ・ボーイの幽霊が出現しても全く大丈夫だと予想して居ましたが、『シャイニング』みたいな感じで少し怖い気もする……。
このままではいけない。今回の仮説を立証するキーとなるのは「最先端」の一言に尽きます。最先端……京都で最先端…………京都駅で最先端……
ここしかないでしょう!家電の最先端、そしてそれを求める最先端人間が集うヨドバシカメラ!
もう全然怖くないですね。 何か買ってますね。しかも結構大きめの紙袋だ……。
最後にもう1枚、京都にお越しの観光客の方にもご協力頂きました!良い顔です!
いやこっわ!!!!
海外旅行という楽しさで怖さを中和、ないし掻き消すことが出来ないかなと考えていたんですがどうやら考えが甘かったみたいです。最先端が少し足りなかったからかもしれません。でももしこれがSNOWとかだったら怖くないかも。
いかがだったでしょうか。
京都駅周辺を幽霊と共に歩いてみました。一部の例外を除き、やはり予想通りおおむね怖くなかったですね。
便利さはもとより、建物や景色それ自体がスタイリッシュ。幽霊の立ち要る隙を与えないクールな京都駅。京都の玄関として見られがちですが、玄関だけでも十分見どころのある場所です。是非是非お越しください。
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