この景色を見ればあの曲が思い浮かぶことがあるように、食べ物を食べればそれにまつわる思い出が浮かぶ。ここでは様々なパンを食べながら思いついたことを紹介していきます。
《チョコチップサンライズ》
サンライズってとてもフジギな食べ物だと私は思います。メロンパンと何が違うのかわからないし、パン屋さんによっては形が違うところもあるみたいです。
私は、メロンパンに何か他のものが入っていたらサンライズということではないかなと思っていたのですがそうでもないようです。関西では円形が「日の出の太陽」に似ているので「サンライズ」と呼ぶようになったそうです。
ですがマスクメロンが輸入されると全国的には「メロン=円形」というイメージがつき、「メロンパン=円形」のものと定着しました。ですが、関西の一部では現在でも、アーモンド形のパンを「メロンパン」・円形のパンを「サンライズ」と区別しているそうです。
小学校の頃、私は今とは違って、毎週金曜日にお弁当の代わりにパン屋さんに寄ってパンを買っていました。その時に決まって買うのがベーコンフランスとチョコチップサンライズとバニラヨーグルトでした。その中でもチョコチップサンライズが思い出に残っています。小学三年生の頃、仲のいい上級生と一緒に帰っていました。
ある帰りの電車の中で、上級生がこっそりと鞄の中から何かを取り出しました。それがチョコチップサンライズでした。電車で何かを食べるのが初めてだった私は、少し背徳感を感じながら上級生に勧められるがまま、咳をするふりをしながら口に入れました。
その時の美味しさといったら今でも忘れられません。
上の部分のクッキー生地のサクサクした食感と共にチョコチップのカリッと感と共にバターの香りがふわっと香り、思わず目をつぶってしまいます。その感覚と同時にクッキー生地に隠れるふわふわの生地がクッキー生地を邪魔するわけでもなく、ふんわりと包んでくれるお布団のようなパンの部分が最高に美味しいのです。
そこでその美味しさを経験してから、毎週のパンを頼む日にチョコチップサンライズは外せないメニューになりました。
そのチョコチップサンライズがどこのパンなのかみなさんにお伝えしたいのですが、残念ながら小学校の購買で買っていたので、ここではそのチョコチップサンライズに似たパンをご紹介します。それが『進々堂』の北山メロンです。
名前は、サンライズではありませんがなんともあのチョコチップサンライズに似ていて、あとチョコチップさえあれば…と思ってしまいます。
久々に北山メロンを買って電車に乗って少しつまみ食いをしましたが、あの時とは違って緊張はしませんでした。それでも、あの小学校の頃と変わらずメロンパンのサクサクしたクッキー生地とふわふわ生地を感じて幸せな気持ちは変わりませんでした。
辻村 花梨
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