この景色を見ればあの味が思い浮かぶことがあるように、食べ物を食べればそれにまつわる場所が思い浮かぶ。このエッセイでは様々なパンを食べながら思い浮かんだことを紹介していきます。
《パニーニ》
パニーニとはイタリア語の単数形パニーノの複数形となり、パンで具材を挟んだ軽食全般を指します。私たち日本人がイメージする丸くて表面をこんがりと焼き上げているパニーニは、イタリアではトーストと呼ぶそうで、今回はイタリアでトーストと呼ばれている焼きたてパニーニについてのお話しです。
私は、前回のコラムでもフランスパンの事を書きましたが、固くて外はカリッ、中はフワッなパンが好きなのです。そんな外カリ中フワパン愛好家の私にとって、パニーニは衝撃の食べ物でした。
京都市役所近くにある《グランディール御池店》は、パニーニが有名です。ショーケースに入った様々な種類のパニーニをその場で焼いてくれるシステムです。
店に訪れた私がショーケースを前に「あぁ、なんと綺麗なんでしょう……そのまま食べてしまいたい」と思っていたら、そのパニーニがホットサンドメーカーに挟まれて焼かれているではあるませんか!思わず、心の中でウワーっと叫んでしまいました。
待つこと5分、こんがり焼きあがったパニーニを抱えて、私は近辺を彷徨いました。どこで食べよう、焼きたてホカホカのものをすぐさま食べたい、でも立って食べるのは気がひける……。
頭の中で緊急会議が行われていた時、ふと前を見ると、京都市役所の前に広場があるじゃないですか。
「そういえば、ここのベンチでお昼休みの会社員がご飯を食べているのをよく見かけるし、周りにそれ以外の建物がないから周りも綺麗に見える」
ここにしようと決めてベンチに腰掛けました。
いざ食べてみると、私の求めていた”外カリ中フワ”が出てきたのです!ついついパニーニの写真を何枚も激写。感動が有り余った結果、この市役所前広場と青空で過ごす昼下がりのことを、パニーニ日和と名付けることにしました。
是非皆さんも、京都市役所前の広場に腰掛けて焼きたてフォワフォワ、外カリ中フワのパニーニを食べてみてはいかがでしょうか。おいしすぎてあっという間になくなってしまいますよ!
※現在2018年1月時点、庁舎整備のため立ち入り可能区域が限定されております
辻村 花梨
最新記事 by 辻村 花梨 (全て見る)
- 木曜お昼はパンの日 Part4「コッペパンと憧れの存在」 - 2018年3月22日
- 木曜お昼はパンの日 Part3「チョコチップサンライズと思い出」 - 2018年2月22日
- 木曜お昼はパンの日 Part2「パニーニと昼下がりの市役所前広場」 - 2018年1月25日